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zoom RSS 国立大学で何が起きているのか・・・6月8日文部科学大臣通知と8月24日読売新聞アンケート結果

<<   作成日時 : 2015/08/24 21:22   >>

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「文系学部のある全国の国立大60校のうち、半数近い26校が2016年度以降、文系学部の改廃を計画していることが、各国立大学長を対象にした読売新聞のアンケート調査でわかった。
教員養成系学部を中心に計1300人以上の募集が停止され、定員の一部を新設学部に振り分けるなどの改革が行われる。国立大の文系に再編の波が押し寄せている実態が浮かび上がった。」との、今朝の読売新聞の一面の記事に衝撃を受けました。

事の発端は、6月8日下村文部科学大臣名で国立大学法人の学長あてに発遣した「国立大学法人等の組織及び業務全般の見直しについて」という通知で、さり気ないようで実は大きな問題を孕んでいるように思われます。それは、「別紙1のとおり決定したので通知します」とし、その別紙1の3ページ目に「第3 国立大学法人の組織及び業務全般の見直し」のタイトルの下、組織の見直しについて記されています。

そこで述べられている「特に教員養成系学部・大学院、人文社会科学系学部・大学院については、18歳人口の減少や人材需要、教育研究水準の確保、国立大学としての役割等を踏まえた組織見直し計画を策定し、組織の廃止や社会的要請の高い分野への転換に積極的に取り組むよう努めることとする。」は、いわゆる文系の国立大学無用論がベースにあるように思われます。人口減少社会に向かう中で、社会に役立つ学問を身に着けた学生のみ必要で、哲学や文学などの人文科学や社会科学は役立たずの学問であり、たとえば哲学のように人は何のために生きるのかなどと考えること、そんな悠長なことは必要ないと言っているに等しいものでしょう。

その一方で、防衛省は大学の研究者と連携しての軍事に活用できる技術の開発に乗り出し、その基礎研究を対象に公募を行い、1件当たり最大で年間3000万円を助成することにした、というニュースもあります。11月上旬に助成対象を決定するらしく、今年度予算に3億円を計上しているとのことです。片や国立大学の人文社会科学系学部の廃止や実用的な学部への転換を求め、片や産業界のみならず軍事技術開発に迎合するかのような国の施策は、何やらきな臭さを感じます。

考えてみると、高校にもスーパーサイエンスハイスクール(通称SSHと呼んでいるようです)を指定する制度が設けられ、指定された高校には多額の予算が文科省から下りてきます。昔ながらの「文系」、「理系」ではない枠組みが高校にまでジワリと浸透しつつある流れは、この6月8日の通知と無関係ではないように思われます。

僕自身は文系でしたが、物事を論理的に考える能力や解決する能力、人の話をよく聞いて理解する能力は、文系大学で学べる教養だと思います。さらに言えば、唯々諾々とせずに、良い意味での批判的精神も培われたようにも思います。

人文科学系の学問を志したいという若者は、都市の私立大学しか選択肢がなくなってしまう状況も当然ながら想定されます。経済的な問題から国立大学を目指す若者の機会を奪うようなことになってしまうかもしれません。それこそ、憲法で保障された学問の自由、大学の自治に対する国家の挑戦のようにも思われます。

そして、違憲の疑いが濃厚である現在参議院で審議中の安全保障関連法案と根底では繋がっていると思うのは考え過ぎでしょうか。厳しかった暑さも一段落し、吹く風の中に秋の気配が感じられるようになってきた今日この頃、もの思う秋は好きな季節です。

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