驟雨 突然の雨に打たれても

アクセスカウンタ

zoom RSS 秘仏吉祥天に誘われて、浄瑠璃寺を訪う

<<   作成日時 : 2015/11/09 17:33   >>

トラックバック 0 / コメント 0

画像


旅に出ると早起きになります。正倉院展を鑑賞した翌日は、日の出前の薄暗い春日大社の一の鳥居をくぐり、足を進めて東大寺二月堂に向かいました。日中の喧騒が嘘のような静寂な空気に包まれたそこは、まるで異空間であるかのようです。

春日山から昇る朝日に照らされた大仏殿の美しさを見ることができるのは、時間と天気の条件が揃ってこそのものであり、旅の人間である僕にとっては本当に数少ないチャンスだと思っています。

さて、この日のメインは、秘仏吉祥天が公開されている浄瑠璃寺です。地理的には京都でありながら文化圏は奈良という当尾(とうお)と呼ばれるこの地区を訪れるのは初めてのことです。奈良市内からの距離を考えると、どうしても縁遠くなっていましたが、長谷寺や室生寺のような山寺ならではの雰囲気が濃厚で、紅葉が進んだ境内の様子には心が洗われるような気持ちになりました。

上品下品(じょうぼんげぼん)の意味するところを知り、九つの往生の段階があるという考え方から本堂に祀られた九つの阿弥陀如来。その九体阿弥陀が横一列に並ぶ姿には圧倒されるような存在感と、普段は考えることのない西方浄土について思いを馳せるしばしの時間を感じざるを得ません。

これら九体阿弥陀の列の中の小さな厨子の中に、お目当の吉祥天女像がいらっしゃいます。長らく秘仏とされていたために、鮮やかな彩色が作られた当時そのままに残る姿には目が奪われてしまいます。秋篠寺の技芸天の美しさが思い出されますが、彩色が残る分だけ吉祥天の方がより写実的で、嫋やかさが感じられます。

浄瑠璃寺を後にしてからは、岩船寺、圓照寺を巡り、午後からは斑鳩に向かい、中宮寺の半跏思惟像や法隆寺の釈迦三尊像を拝しました。これらの仏像は、指折りの国宝とされていますが、この日の僕にはやはり初めてお目にかかった吉祥天の強烈な印象を超えることはありませんでした。

画像








テーマ

関連テーマ 一覧


月別リンク

秘仏吉祥天に誘われて、浄瑠璃寺を訪う 驟雨 突然の雨に打たれても/BIGLOBEウェブリブログ
文字サイズ:       閉じる