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zoom RSS ふるさと納税に疑問を感じる・・・4月3日の天声人語から

<<   作成日時 : 2016/04/11 19:43   >>

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平成26年5月26日の朝日新聞「天声人語」は、次のように書き出しています。
「わが町に300万円を寄付していただければ、200万円相当の牛1頭分の肉をお贈りします・・・。なんとも豪快な話である。20万円以上の寄付で子羊まるごと1頭をさし上げるという町もある。お取り寄せグルメの紹介ではない。」

それから2年。
「これはもう、通信販売のカタログそのものだ。『ふるさと納税』を呼び込むために、ある町が作った『お礼の品』のリストを見た。カニ、高級イチゴ、焼き菓子……。寄付額に応じ、好みの品を選べる。『旬をお届け』などの宣伝文句も」と、
一週間ほど前4月3日の「天声人語」は、再びふるさと納税制度について言及しています。

そして、生まれ故郷や応援したい自治体にお金を移すのがふるさと納税の趣旨だけれども、現実は返礼品を「買う」に等しく、寄付をする人にとっては寄付した金額の大部分は後で返ってくるので懐も痛まず、自治体の競争は過熱していると続けています。

僕の住んでいる自治体でも、ふるさと納税による歳入は前年度当初予算の見込みを大きく上回り、二度にわたる増額補正で、大幅な増収となっています。もちろん、歳入増に伴う返戻品の取り揃えや返戻品を送る準備に係る人件費増で歳出も補正予算を組んでいますが、差引を考えるとプラスとなるのは確実です。

その一方で、本来住民税として納付され、歳入となるべき税金が税制の優遇措置として大幅に拡充された寄附金控除の対象になっている現実があります。しかも、自治体間で「取った」、「取られた」といった状況が生じているわけで、本来歳入となるべきものが寄附金控除によってどれだけ減少しているのか一目ではわかりにくく、税収面でこの制度が地方に及ぼす影響を図ることを困難にしています。

それ故、各自治体が血まなこになって、返戻品の豪華さを売り物に寄付金集めに走るのは、やむを得ないものと思えなくもありません。また、返戻品として取りそろえる品物が地場産業の育成に役立っているという、この制度の賛成論の根拠の一つになっている意見を否定するつもりはありません。

しかし、耳障りが良く、税金を納めているかのような響きを持つ「ふるさと納税」ですが、その本質はあくまでも寄付ではありませんか。寄付をする行為には反対給付を求めるものではなく、それ故、税制は国や自治体に対する寄付に対して寄附金控除を認めてきたはずです。

「ふるさと納税」と称する寄付をした人たちは、寄付をした自治体の何を知り、何に期待して寄付をしたのでしょうか。本来、反対給付を求めない高潔な精神に基づくはずの寄付行為が、お礼品欲しさの物買いになってしまっている現実は、人々の精神の荒廃に繋がらないか、格差拡大の原因の一つとならないか危惧せざるを得ません。

「天声人語」が二年の時を経て、再び警鐘を鳴らしていることに同意するとともに、「寄付」であることを第一義にして制度を考え直す時期になっているように思います。

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