大報恩寺(千本釈迦堂)にて

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半年ぶりに京都に出て来ました。今回の旅は、巡り歩いた中でも通り過ぎてしまった、あるいは見逃してしまった寺社仏閣を訪ねてみようと考えています。

いの一番に訪れたのは、千本釈迦堂。今秋、東京国立博物館で「定慶、快慶のみほとけたち」の名の下に特別展が開催され、仏様たちが上京するそうですが、その前に是非拝観しなければならないだろうと考えました。すぐ近くに、あの学問の神様菅原道真公をお祀りする北野天満宮があって、これまでスルーばかりしていましたが、その静寂さにある種の感動を覚えました。

本堂が鎌倉初期に建立され、応仁の乱の戦火の中を生き残った京都最古の木造建築だそうです。柱に残る刀傷や矢傷を見ると、よくぞ残ったものと思わずにいられません。そして、霊宝館の六体の観音様たち、快慶の作の 十大弟子たち。十大弟子の半数は修復中とのことでしたが、残った五体は、やはり快慶と言うべくいずれも繊細で、館内の静寂さと相まって、心が落ち着きました。

そして、ここまで来たのだからと足を運んだ北野天満宮。千本釈迦堂とは対照的にあまりの人の多さ、それは騒然としていると表現せざるをえないほどのものでした。また、縁起を鑑賞しようと思って入館した宝物殿には更に驚かされたと言うべきか、愕然としました。

「学問の神 驚きの宝刀展」と称せられたそれは、漫画「鬼切丸」に沿う形の展示で、テーマ音楽を常時流しており、その軽さと言ったら言葉を失うばかりでした。奈良春日大社の宝物殿の重厚さとは比較するすべもなく、草葉の陰で菅公がさぞかしお嘆きであろうと思ったものでした。

若い世代に理解を得ようとすることも大切であるとは思いますが、歴史を刻んで来た神社としての矜持はどこに行ってしまったのだろうと思うと、何だかやるせなさを感じてしまいました。