山の辺の道を行く・・・石上神宮から大神神社へ、そして安倍文殊院

画像

二月堂で朝日に光り輝く大仏殿を拝んだ後は、ホテルに戻り朝食を摂りながら本日の行動を考えます。これまで足を踏み入れたことのない山の辺の道に向かうことにしました。道に沿って点在するすべての寺社仏閣、遺跡を巡ることは到底無理ですので、まずは古代の豪族物部氏の総氏神であるという石上神宮へ。

本殿は大正2年の造営で比較的新しく、それまでは拝殿後方の御本地と称された禁足地に主祭神をお祀りしていたそうです。正面から重文である楼門、国宝である拝殿、その後方の本殿を望むと、木漏れ日に光るそのさまは、神々しさを感じずにはいられませんでした。御神鶏とされるニワトリの鳴き声を聞きながら、思わず神奈備の言葉が思い浮かびました。

石上神宮を後にして大神神社へと向かうところですが、ほぼ中間地点にある長岳寺に立ち寄りました。本堂に安置された阿弥陀三尊はいずれも瀟洒な姿で、四天王のうちの増長天と持国天に護られています。

画像
そして、向かった三輪山をご神体とする大神神社。ここは大国主神がその魂を大物主大神の名で三輪山に鎮めたことが記紀神話に記されているそうで、まさに古事記の世界です。

二の鳥居をくぐって参道を進み、まずは祓戸神社で心と体を祓い清めてから拝殿に臨みます。心なしか空気が変わったように感じるのは僕だけなのでしょうか。僕にとっての二礼二拍手一礼の行為は、特に何かを祈るわけではなく、仏像の前で合掌することと同じように、静かに自分を見つめ直す時間です。

その後、大物主大神の化身の白蛇の伝説の巳の神杉にお参りしてから狭井神社へと進み、三輪山に登拝する人たちの様子を見て、僕自身も次の機会には是非そうしたいと思いました。

広い境内全体が清冽な空気に包まれ、時を超えて神話や万葉の世界に自然と思いを馳せる濃密な時間を過ごしたのでした。

神話の世界に浸った後は、安倍文殊院に向かい、仏師快慶による渡海文殊菩薩像に拝しました。きめ細やかで繊細なイメージの強い快慶ですが、高さ7メートルにも及ぶ極彩色の獅子に乗る菩薩像は善財童子像などの脇侍とともに、その壮大さには圧倒されます。

こうして、旅の二日目は終わり、奈良を後にして夕方には京都入りです。