日本代表に思う・・・期待はフル代表よりもU21代表

希望、期待、歓喜、不安、失望そして絶望。人間のさまざまな感情を揺さぶるワールドカップですが、今回ばかりは胸が躍る思いで送り出せない日本代表ではないでしょうか。前回大会でのメンバーがそのまま持ち上がったかのような平均年齢28歳超、およそ新鮮さや躍動感を感じられないメンバー構成、それは次の大会にも影響を及ぼすのは確実で、次回大会のベースを築くことを放棄したように思えてなりません。

魅力を失ったようなフル代表に対して、南フランスで行われているトゥーロン国際大会で若いU21代表が世界相手に興味深い戦いを続けています。初戦のトルコ戦、ボランチに入った中山雄太選手が長短のパスを織り交ぜて先制し、ゲームをコントロールしましたが、後半、前に圧力をかけてきた相手に対し自らのミスで自滅したような敗戦となりました。

続く第2戦のポルトガルは、日本よりも年代が下であるにもかかわらず、さすがにU18でヨーロッパを制したチームでした。ゲーム序盤から圧倒され、前半の半ばまではほとんどポゼッションできませんでした。日本は相手の強いグランダーのパスに広げられて、プレスがかからない時間が続き、シュートを雨霰と浴びざるを得ません。相手のシュートの精度の低さにも助けられていましたが、前半32分日本の右サイドからのフリーキックから大きく逆に振られ、そして中へと、ついに先制を許します。

それでも4分後に、一瞬のスキを突いてカウンターから田川選手が裏へ抜け出して、GKの鼻先でシュートを流し込み追いつきました。この点がなければ、おそらく大差となるゲームになっていたに違いありません。本当にチームに勇気を与えるゴールでした。

後半になってもゲームを支配していたのは、やはりポルトガルです。攻守の切り替えが速く、特に13番タバーレス選手は運動量も多く、日本の脅威となっていました。後半18分ごろには、日本ベンチから「はっきりプレーしろ!」と大きな声が聞こえるほど、押し込まれる展開が続き、1戦目で攻撃の起点となっていた中山選手にボールが集まりません。そうした中で、29分、一瞬の緩いプレーからカウンターを受け、GK山口選手がペナルティエリア外でハンドを取られ、一発退場となります。一人足りなくなった日本は、中山選手を一列下げてフォーバックに切り替え、3-4-2-1から4-4-1にシステムを変更しますが、そのフリーキックを叩き込まれ、リードを許します。

40分ハーフという変則的な本大会のレギュレーション、そして何よりも数的不利の状況を考えると万事休すの感が否めません。しかし、何ということでしょう。このあたりからポルトガルの選手の足が止まり始めます。失点の直前に投入された上田選手が裏を狙い続け、ついに37分、スルーパスに抜け出して追いつきました。しかも、アディショナルタイムに入ってからも裏への飛び出しからPKを獲得して、自らキッカーとなりネットを揺らしたのでした。

本当にサッカーの怖さを思い知らされたようなゲームでした。終始相手のリズムでゲームを進められ、二度のリードを許し、放ったシュートは相手の4分の1でしたが、粘り強く戦い続けたことで結果がついてきました。

さて、ポルトガルから勝点3を奪ったことで、準決勝進出の可能性が出てきました。数時間後にキックオフされる現在首位に立つカナダ戦に勝利を収めることが最低条件ですが、ポルトガル戦の勝利を意味のあるものにするためには、この試合を勝ち切らなければならないのは言うまでもありません。中2日での試合が続く過酷な条件ですが、強い気持ちでこの試合に臨んで欲しいと思っています。